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2007年6月17日 (日)

ラプソディー・イン・ブルー

シンフォニック・バレエって、なんだ?
ご招待いただいたとき、正直言って、これはかなり苦手なジャンルだなぁ、と思った。
オーケストラの演奏するクラシックをバックに、一流のダンサーたちが踊る。
どちらのコンサートでも、かつて寝た経験有。しかし、折角ご招待いただいたら、どんなジャンルのライブであれ、一度は経験してみるのが私のモットー。新奇のものに対する好奇心失ったら、この稼業、終わりだしね。

驚いた。
東京フィルの重々しい演奏をバックに、全身筋肉みたいな男性ダンサーたちが、踊る、踊る。
しかも、そのダンスも、正統派のクラシックバレエから、モダン、ストリート系と、実に多彩。北辰一刀流と天然理心流、程度の違いじゃないぞ。たぶん、卓球とテニス、うな丼とフライドチキンくらいにかけ離れた存在である他流儀たちが、同じ一つの舞台で、どう見ても好き勝手やってるようにしか思えないのに、不思議と融合してしまうこの奇妙な一体感? しかし、緊迫した交響楽の調べを決して邪魔することなく、寧ろその演奏をもひき立てているかのような、この躍動感は一体なんだ。

プログラムの前半、クラシック音楽については、絶対寝ると思った。(だって、クラシックって、熟睡するためのBGMでしょ?) まあ、ドビュッシー、メンデルスゾーンくらいまでは、聞いたこともあるし、頑張れるかもしれないが。・・・・聞いたことのない交響楽は、確かに辛かった。(開演前に飲んだワインのせいもあって)しばしば舟漕いでいた。やはり、踊りのない、音楽のみのシーンではしばしば・・・・zzz(ごめんね)

が、メインタイトルである「ラプソディー・イン・ブルー」は、さすがに圧巻。
待ってました、とばかり登場したピアニスト・松永貴志の即興演奏は、ジャズファンにとっては垂涎もの。その、二度と再現できない演奏に、メインのダンサーたちがからんでくる。交響楽の指揮者も負けてない。各人が、己の持てる能力を最大限に発揮しているのに、そのどれもが、決して鼻につくということがない。みんなそれなりにスタンドプレーに走っているのに、嫌味がない。それどころか、そのスタンドプレーが、互いのプレイを、よりよくするのに役立っている。これは、ダンスもクラシックもともに初心者な観客をも、充分に魅了できるエンターティメントだ。個人的には、ガーシュウィンは、絶対ジャズの人だと、私は信じているのだが、この曲に限っては、クラシックに分類されてもいいような気がする。

ちなみに、東京公演は今日で終わっちゃいましたので、あとは名古屋と大阪、それぞれ一日ずつの講演となります。興味のある方は、こちらをご覧下さい。
http://www.umegei.com/m2007/kimu.html

個人的には、服部良一さんのお孫さん、有吉くんも、ムーヴィー・アウトに出ていたというラスタちゃんもいいんだけど、クラシックの貴公子といった感じの大貫くんに、そのジャンプの見事さもあって、終始視線が釘付けでした。

2007年6月15日 (金)

選定図書

担当さんからのメール。

「ご高著『紅嵐記(上・下)』が
社団法人日本図書館協会図書選定委員会により
「日本図書館協会選定図書」に決定いたしました。

「選定図書速報」や「週刊読書人」に掲載され、
関係各方面で図書を選定、購入するさいに役立てられているそうです。」

ふぅ〜む。いよいよ図書館作家への道をひた走りかしら? と、やや複雑な気分なれど、
「作品力を評価された結果」と、担当さんも言ってくれてるし、まあ歓んでおきましょう。

それに、全国3000の図書館すべてが一部ずつ購入してくれたら、とりあえず初版ぶん
は完売するもんね。・・・・刷り部数、超絶少ないから(泣)。



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2007年6月 5日 (火)

嬉しい日

公式サイトのメールフォーム経由で、読者の方から、とても嬉しいメッセージをいただいた。以下、転載。

「突然ですが「嫦娥の宝釵」は出版されないのですか?
確か「小説すばる」だったでしょうか。雑誌に連載されている時に何度か読みました。高校生の頃です。とてもおもしろくて、素敵で、うっとりしながら読んだことを覚えております。読み損なっている回もあり、本になる日を楽しみに待っておりました。でも一向に出版される気配もなく...。ホームページを見つけて思い切ってメールを出すことにしました。どうかよろしくお願いします。」

拙作『嫦娥の宝釵』についての詳細は、公式サイトの仕事情報参照。
http://homepage3.nifty.com/fuji375/joga.html

嫦娥の宝釵とは、即ち、女の愛憎、因業の象徴。偶然から、或いは必然からその宝釵を手にしてしまった女たちが辿る数奇な運命。歴史上有名な美女、悪女から、名は知られていないが確かに歴史に実在した女たちまで、かなりマニアックな人物も含むが、専ら描きたい女ばかりを描かせてもらった。ただでさえマイナーな中国ものの上に、取り上げる女は殆どマニアックな無名史。掲載当時から、どうせ人気ないんだろうな、と思ってた。でも書きたいから書いた。どうせ誰も、覚えててくれないんだろうと思っていたのに。

嬉しいメールをいただいたものの、昨今の出版事情は厳しく、版元も見放した(というか忘れてる?)作品、いつ刊行されるか、私には確約しかねるのです、ごめんなさい。一番手っ取り早いのは自費出版でしょうが、現状ではその資金繰りも難しく・・・・。

そして、も一つ嬉しいこと。
友人から教えてもらって、慌てて隣りへ買いに行ったのだが、本日(6月4日)発売の「週刊現代」、カリスマ書店員さんのとっておきオススメ本の頁で、『紅嵐記』が紹介されてました!! ありがとう。リブロ池袋店の矢部潤子さん。近くに行く機会があったら、絶対ご挨拶に伺いますね。

2007年6月 3日 (日)

【ライブ】 一瞬の煌めき

Photo_11

習いはじめて僅か半年足らずでステージにあげられたのを皮切りに、地元での小ライブ、お祭り、発表会と、僅か三年のあいだに、かなり多くの本番を経験させてもらってきたと思う。しかし、そうしたイベントとは、やはり、微妙に違っていた。いつもイベント終了後に感じる達成感+α。その+αこそが、人を楽しませたいと思い、そして楽しんでもらえた、と確信できたときに感じる手応え、とでも言えるだろうか。

Photo_12

ショーデビューした。
一緒に習いはじめた友人と二人で、ショーのオープニングを飾らせていただいた。もちろん、先生の多大な好意により実現したのだと思う。短い時間だったが、本当に幸せな、「ああ〜フラメンコ習っててよかったなぁ」と心から思える瞬間だった。ティエンポが、恐ろしくあがりまくっていて、内心死ぬかと思ったが、幸い、正味2分程度の短い踊りである。全力を使い切っていいんだと思い、通常の三倍速ティエンポでも頑張った。そのためか、緊張して怖い顔になってましたよ、という見に来てくれた友人の言葉がショックで、インターバルのあいだに多少アルコールを補給した。おかげで、第2部ではノリノリ顔で踊ることができた。

エンサージョ(リハーサル)のときから、10年も習ってる先輩たちが青くなってるので、いままでの、先生の指示どおり動いていればいいイベントステージとはかなり違っているのだな、と察しはついた。
いつも、易々とソロを踊っている人たちの、本気で困惑している姿をはじめてて見た。さすがに不安になった。10年選手でもあんなにうろたえるプロのステージに、いくら短い時間とはいえ、本当に、私なんかがあがっていいのか? 迷いながら、怖れながら、懸命に自己改革して、肝心の腕前自体は、そう一朝一夕にあがらぬながらも、とにかく、自分にできる限りのことはした(つもり)。だから、あの時点で、あれが私の全力なんだと思う。小さな失敗も含めて、でも、見に来てくれたお客さんの歓声と拍手に励まされて、力量以上のものを出せた、と信じている。
私たちのオープニングでお客さんの心に火を点けて、そのあとの、先生たちのヌメロをよりよくできたと信じたい。

ライブって、本当に素晴らしい。
一瞬の煌めき、感動を、惜しげもなく使い捨てていく。それが、ライブだ。
縦しんばVTRがあったとしても、その日その時その場所で味わった熱い時間は決して再現できないだろう。だからこそ貴重で、愛おしいのだ。例えば、いま私がやってる仕事は、その真逆のものだ。本来一瞬のものであるべき感動を永遠に遺したくて、言葉を用いる。だが、所詮言葉で伝えられるものには限界がある。しかも、小説の場合は、著者によって書かれてから、読者のもとにそれが届くまでのタイムラグがある。既にリアルではなくなっている筆者の感動を、どうしたらより強く、熱く、伝えられるか。そう思って、私は必死に、懸命に、言葉を探す。
ライブで伝えることのできる感動は、本当に素晴らしい。
ライブで伝えられないジャンルに生きる者は、必死に悪足掻きする。

本当の意味でのライブを知ることができて、私は心底幸せだと思う。
この先、仕事上の私の課題は、あの素晴らしい一瞬の煌めき、ほんの一瞬で消えてしまう感動を、どうやって言葉にとどめるか、ということだ。ライブの幸福感と、言葉-文字によってもたらされる実感。
私は、その両方を知ることができた。

↓ アンケート回答が写真入りで載ってます。



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近著

  • 三国志外伝貂蝉記ー翡翠の翼・上
    まだ書店で手に入りそうな著作です。

リンク

フラメンコ

  • さくら祭り2009
    これまでに経験したステージ・イベントの記録です。
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