
「都民の日」故、娘はお休み。そこにレディースデー(映画の日も)が重なったので、千載一遇の好機とばかり、「パコと魔法の絵本」を見に行った。レディースデーや映画の日に1000円で観ようと思うと、娘と一緒に、というミッションが果たしにくく、そしてこの手の映画を、一人で劇場で観るほど虚しいことはない。
さて、予想はしていたが、あきれるくらい真っ当なお伽話。出演者のドギツイメイクや阿部サダヲの奇怪なキャラクターは、蓋し制作側の照れ隠しであろう。そうじゃなきゃ、こんなにストレートな「いい話」、見てるほうも恥ずかしくなる。そして、アニメだったら、絶対見に行かないだろうし。
しかし、照れ隠しの紋切り型も、些か強引な笑いも、全然嫌な感じはしなかった。寧ろ、かなりいい感じ。妻夫木聡のハンサムな顔をメイクで殺して、最後まで見せてくれなかったのはファンとしては残念だったが、その彼の突き抜けきった演技は、もう圧巻。やはり、ただの二枚目ではなかったか。
今日はたまたま、都民の日と映画の日が重なったが故の満席だったのかもしれないが、今季公開の邦画の中ではダントツの興行成績のようで、こういう映画に人が集まるのは、映画ファンとしても嬉しい限りだ。
ただ、TVによる宣伝があまりに過多すぎて、実は観る前から、殆どネタ割れしていたのが残念。阿部サダヲの小ネタ(「人間なんて」の弾き語りとか・・・)以外、新鮮な驚きをおぼえるシーンがあまりにも少なかった。そこまで露出したからこそ人が入った、と言えるかもしれないが。劇場の暗闇の中で過ごす1時間半から2時間は、ただ無心でスクリーンに見入っていればいい至福の時間だ。できれば、なにも知らないまっさらな状態で、はじめての感動と出会いたい。決して、昨日の授業の復習をしたいわけではないのだ。今日がはじめてのはずなのに、なんだかリピーターになったかのような錯覚をおぼえた。